【ドラマの英語】いつかきっと使える!相手を思いやる英語フレーズ!

サンディエゴからこんにちは!
元字幕翻訳家の英語コーチ、なおこです。
先日、アメリカテレビ界最大の祭典であるエミー賞授賞式が行われました。Netflixの「クイーンズ・ギャンビット」が、リミテッドシリーズ/テレビムービー部門で作品賞を受賞(もっと受賞してもいい!と私は思いましたけど)。目に力がある女優アニヤ・テイラー=ジョイが天才チェスプレイヤーのベス・ハーモンを演じます。
これは見始めたら止まりませんよ!ぜんぶで7話と短いので「一気に見て!Just binge watch!」と鼻息荒くオススメしちゃうドラマです。
©Netflix
舞台は1960年代のアメリカ。ソ連との冷戦時代です。お母さんが死んでしまって孤児院に送られた8才の少女ベス。孤児院の用務員さんにチェスを教わったのがきっかけで、チェスに魅せられていきます。子どものいない夫婦にひきとられ、精神安定剤とアルコールの依存症に苦しみながらも天才チェスプレイヤーとして活躍する物語。
【補足:上のポスターでも、チェスの駒と一緒に精神安定剤とお酒が置いてあります】
最終話からのシーンをご紹介します。
孤児院にいたころ、ベスは黒板消しをきれいにする作業にかこつけて地下室におりていき、こっそりシャイベルさんにチェスを教わりました。そのシャイベルさんが亡くなったという知らせをうけて、ベスは孤児院時代の親友ジョリーンと葬儀に参列します。
葬儀のあと、こっそり地下室におりていくベス。当時の思い出が一気によみがえります。暗い部屋の壁には、ベスがチェス界で活躍する新聞や雑誌の記事がところせましと貼ってありました。シャイベルさんとベスが2人でうつっている写真もあります。初めてのトーナメントに出たいのにお金がなかったとき「頼むから登録料を送ってください」と頼んだベスの手紙も。
©Netflix
車に戻って泣き崩れるベスに、ジョリーンはこう言います。
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Did you bite off more than you can chew?
ひとりで溜め込んでムリしてたのね
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©Netflix
bite off more than you can chew
文字通りにいえば「かみ切れないほどたくさん口にほおばってしまう」ですが、下記のような意味で使います。
- 身の丈にあわないことをする
- 無理をしてやる
- 手に負えないことをする
- 背伸びをしてやる
日本語字幕は「背負いすぎてたのね」となっています。私の解釈は「ひとりで溜め込んでムリしてたのね」「一気に思い出がよみがえっちゃったのね」でした。字数制限なしですから自由に訳しちゃいますよ~(笑)
孤児として育ち、ほぼ男性だけの世界だったチェス界で旋風を巻き起こしたベス。やれ天才少女だ、チェス界の新星だ、ともてはやされながらも、常にひんやりした孤独を胸に抱えていました。薬やお酒は、その孤独が凍ってガチガチにならないための自己防衛手段だったように思えてなりません。
このフレーズ自体は励ましやなぐさめの言葉ではありませんが、ベスの性格をわかっているからこそ言えるジョリーンの優しさにあふれています。自分も、つらくて苦しい状況にある人の気持ちを思いやってあげられる人間でありたい、と思わされたセリフでした。
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今回のフレーズ
Did you bite off more than you can chew?
ひとりで溜め込んでムリしてたのね
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なぐさめの言葉と励ましの言葉は、心の引き出しにたくさんしまっておきましょう。いつかきっと使うときが来ます。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
英語はストーリーで出会ったときに覚えるのが一番!英語を楽しく習慣にしましょう♪
Happy learning!