アメリカ南部を舞台にたくましく生きる女性を描いた感動作「フライド・グリーン・トマト」

アメリカ南部 人種差別 原作本あり 女性の生き方
Fried Green Tomatoes

 

サンディエゴからこんにちは!

英語コーチ しおはまなおこです。 

 

生きた英語が学べる「映画/ドラマ/洋書」を教科書に、英語を楽しく学び続けるヒントをお伝えしています♪

 

今回ご紹介する映画は「フライド・グリーン・トマト」(1991)。アメリカ南部で暮らす平凡な中年主婦エヴリンが老人ホームで出会った老女ニニーを通して、かつての激しい差別や偏見のなか自由に力強く生きた南部の女たちを知り、励まされて変わっていく感動のストーリーです。

 

 

【作品情報】

 

作品名:フライド・グリーン・トマト(原題:Fried Green Tomatoes)1991年、130分

ジャンル:コメディドラマ

監督:ジョン・アブネット

出演:キャシー・ベイツ、ジェシカ・タンディ、メアリー・スチュアート・マスターソン、メアリー=ルイーズ・パーカー

原作:ファニー・フラッグ著 Fried Green Tomatoes at the Whistle Stop Cafe

 

 

 

【あらすじ】

 

平凡な中年の主婦エヴリンは、叔母を訪ねた先の老人ホームで一人の老女ニニーに出会います。陽気で話し上手なニニーは、イジーとルースという女性について語り始めます。その話に引き込まれたエヴリンはニニーに会うため、ひんぱんに施設に通うようになります。

 

息子二人はすでに独立し、夫と二人の生活。エヴリンは太っていることを気にしていますが、ストレスで余計に食べてしまう悪循環。家に帰ったらテレビの前に直行して野球やフットボールの試合を見る夫にも文句を言えずにいます。

 

そんなエヴリンですが、ニニーが語るイジーとルースの物語に触発されて少しずつ変わっていきます。家庭内暴力、人種差別など重いテーマを扱っていますが、イジーとルース、そしてエヴリンのたくましい生き方に喝采を送りたくなる映画です。

 

 

 

【場面の説明】

 

イジーは妊娠中のルースを夫フランクのひどい暴力から救い出し、アラバマ州の駅前の食堂(Whistle Stop Cafe)をルースと一緒に切り盛りします。ある晩、白装束をまとったKKK(ケイ・クラックス・クラン)がカフェを襲撃。ルースの夫フランクはKKKの一員で、赤ん坊の息子がいる部屋に入ってきて「お前も息子を必ず連れ戻す」とルースを脅します。

 

イジーは保安官のグレイディと一緒に、なんとかKKKを追い返します。息子を抱きながら恐怖に震えているルースに声をかけるイジー。(イジーはまだフランクが部屋に来たことを知りません)

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イジー:Hey, what’s the matter?

 

どうしたの?

 

ルース:It was Frank. He saw the baby.

 

フランクだったわ。息子に会いに来た。

 

イジー:You sure it was him?

本当にフランクだった?

 

ルース:Yes, I’m sure. ええ。

 

イジー:So that’s why those Kluxers were here.

だからKKKが来たのか。

 

Let me take him. 坊やをちょうだい。

(赤ん坊をルースから受け取るイジー)

 

Don’t worry. 心配しなくていいよ。

 

I mean, if he’s dumb enough to come back here again, Grady and the Alabama boys wll take care of him. 

 

フランクがまた戻ってきたらグレイディと仲間たちが何とかしてくれる。

 

And if they don’t, I’ll think of somethin.

もし彼らが何とかしなかったら、あたしが何とかする。

 

ルース:Don’t take any chances. Promise me you won’t do anything crazy, no matter what.

 

お願い、絶対にムチャなことはしないで。

 

イジー:Me? Not me. あたしがムチャするって?まさか!

 

I’m gonna put him down. あたしが寝かせるよ。


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【解説】

 

I’m gonna put him down.

私が坊やを寝かせるよ。



put someone down で「赤ん坊や子どもを寝かしつける」という意味になります。赤ちゃんをベビーベッドに置く様子をイメージするとわかりやすいかもしれません。


Britannica.comの定義はこうです:

put (someone) down or put down (someone) : to place (a baby or child) in a bed to sleep

  • He put the baby down (in her crib) for a nap.



ベビーベッドで寝る子どもに使って、もう自分のベッドで寝るようになったら tuck in を使います。「ベッドにつれていって毛布をかけてお休みを言う」というイメージ。

 

大人が「もう寝る」という場合は英語でなんというでしょう?

I’m going to bed. / I’m turning in./ I’m off to bed.




最後にもう1つ。病気やケガで苦しむペットを安楽死させるときも put him/her down といいます。

 

: to kill (an animal) in a way that causes it little pain usually because it is injured or sick

  • They had to have their dog put down [=put to sleep] by the vet.

 

前回は take を使ったフレーズ("It takes courage to change people's heart.") を紹介しました。今回のセリフにも take が3回出てきます。ぜひ take を意識しながら、もう一度読んでみてください。

 

前回紹介したセリフにも put を使ったフレーズが含まれていますよ。こちらからもう一度読んでみてくださいね。

 

人間は忘れやすい生き物。忘れてもいいから、英語との出会いを増やす。それがじわじわと成長するための秘訣です。

 

 


 

【英語ワンポイントレッスン】

 

I’m gonna put him down.

私が坊やを寝かせるよ。

 

 


 

【putを使ったフレーズがでてくる記事】



P.S. アメリカにおける人種差別というのは本当に根深いものがあります。私がいつも読んでいるブログ「In Nadeshiko Way」にわかりやすい解説記事がありますので、よかったら読んでみてください。

アメリカの歴史:黒人と白人 – In Nadeshiko Way

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