🎬頑固な退役軍人とモン族の少年の交流を描いた感動作「グラン・トリノ」

2008年 might as well クリント・イーストウッド テレビドラマ ニュアンス 文化・習慣 映画
グラン・トリノ

 

サンディエゴからこんにちは!

 

映画と英語が大好きな英語コーチ

しおはまなおこです。

 

 

今回ご紹介する映画は「グラン・トリノ」です。

 

©Warner Bros.

 

【作品情報】

 

作品名:グラン・トリノ(原題:Gran Torino)

2008年、116分

監督・主演:クリント・イーストウッド

 

 

【あらすじ】

 

かつて車産業で栄えたデトロイトが舞台。今は荒廃がすすみ犯罪も多くなっています。

 

朝鮮戦争で戦った退役軍人のウォルトは、長く連れ添った妻をなくします。筋金入りの頑固もので、息子夫婦ともうまくいっていません。

 

気難しくて差別的な発言も多いウォルトは人を寄せつけません。彼が暮らす地域には移民が増えていて、隣にはモン族一家が住んでいます。同族でしょっちゅうお祝いをするモン族の人々をウォルトは嫌っていました。

 

ひょんなことから隣に住むモン族の姉弟との交流が始まり、少しずつ心を開いていくウォルト。気丈な姉のスーと、無口で引っ込み思案な弟のタオと交流を深めていくうちに、偏見に凝り固まっていた考え方が変わっていきます。

 

孤独に生きてきたウォルトが、姉弟のために自分の命をかけて正義を貫く姿に心が震える感動のヒューマンドラマ。

 

 

【状況説明】

 

ウォルターが家のポーチにひとり座ってビールを飲んでいると、モン族の人たちが料理を持って、ぞろぞろと隣の家に入っていきます。何かの集まりがある様子。

 

この前日、スーが黒人に絡まれていたのをウォルトが助けました。スーはお礼の気持ちをこめてウォルターをパーティーに誘います。

 

************************

 

スー:Hey, Walt. What are you up to?(ウォルト、何してるの?)



何も答えずビール缶を見せて「ビール飲んでる」と示すウォルト。



スー:We’re having a barbecue. You wanna come over?(バーベキューやるの。来ない?)

 

ウォルト:What do you think?(行くと思うか)

 

スー:There’s tons of food.(食べ物たくさんあるわよ)

 

ウォルト:Yeah. Just keep your hands off my dog.(オレの犬には手をつけるなよ)

 

スー:No worries. We only eat cats.(心配しないで、食べるのはネコだけだから)

 

ウォルト:Really?(ホントか?)

 

スー:No, I’m kidding, you moron.(冗談よ、バカね)

 

Come on, you can be my special guest.(来なよ、私の特別ゲストとして紹介するから)

 

ウォルト:No, I’m fine right here.(いや、ここにいるよ)

 

[クーラーボックスを開けるがもうビールがない]

 

ウォルト:Son of a bitch.(クソ)

 

スー:Okay, so, what have you had to eat today?(今日は何食べたの?)

 

ウォルト:Oh, I had a piece of cake and a little beef jerky.(ケーキ一切れとビーフジャーキーを少し)

 

スー:Come on over and get something to eat. We’ve got beer too.(来て何か食べなよ。ビールもあるから)


ウォルト:Well, I might as well drink with strangers rather than drink alone.(そうだな、一人で飲むよりは他人と飲んだほうがましかもしれない

 

 ©Warner Bros.

 

【ワンポイントレッスン】

 

 I might as well drink with people rather than drink alone.

一人で飲むよりは、他人と飲んだほうがましかもしれない

 

 

 【解説】

  

might as well〜するほうがましだ、〜したほうがいい、せっかくだから〜する、ついでだから〜する、どうせだから〜する

 

 

日本人には、イマイチ馴染みがないフレーズかもしれません。私もいまだに自分で使ったことはありませんが、映画やドラマにしょっちゅう出てきます。

 

 最初は断るウォルターですが、もうビールがありません。まあ仕方ない、料理があるなら行ってやるか、みたいな言い方です。

 

それが一番いい!という積極的な選択ではなく、今のところそれがベストだからそうする、というニュアンスです。

 

英語字幕で見ていなかったら聞き逃しそうなこのフレーズ。ほかの映画やドラマで出会ったら、どんな状況でどんなニュアンスかを意識してみましょう。

 

 

【ここが見どころ】

 

ウォルトが参加したパーティーで、スーはモン族の文化について説明します。

 

  • モン族は頭に魂が宿っていると考えているから、頭には絶対にさわっちゃダメ(この直前、ウォルトが幼い女の子の頭を触ったから周りの人がぎょっとして目を丸くします)
  • じっと相手の目を見つめるのは失礼にあたるから目をそらす
  • どなられるとモン族はニヤリと笑うが、それは恥ずかしいと思っているからであって、どなる相手を笑っているわけではない

 

 

じっと目を見つめないというのは日本と似ていますよね。アメリカでは、視線をそらすと何か後ろ暗いことがあるのでは?と思われることがあります。

 

 

文化や習慣の違いを描いた映画が私は好きです。私自身がアメリカで日本の文化を説明することが多いから、スーのセリフがすごく参考になりました。セリフを「自分ごと」にすること、とても大事です。

 

 

このあと、ウォルトがモン族のおばあちゃんたちに囲まれて幸せそうに食べまくるシーンがとてもかわいい♡

 

 

そして、タオがウォルトの愛車グラン・トリノを走らせるラストシーンのなんと美しいこと!

 

この映画を観た翌朝、身支度をしながらもう一度テーマソングを聴きました。胸と目頭がじわ〜っと熱くなりましたよ。

 

未見の方はぜひ。すでに観たことがある方も、ぜひもう一度観てくださいね!

 

 

【ワンポイントレッスン】

 I might as well drink with people rather than drink alone.

一人で飲むよりは、他人と飲んだほうがましかもしれない

 

 

 

最後までお読みくださり

ありがとうございました。

 

 

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