私の英語ストーリー【第4話】

 

2年の英語漬けで開けた世界

〜TESOL取得の道〜

2012〜2015年

 

サンディエゴでの生活がだんだん落ち着いてきた2012年。大学で日本語を教える助手を経験したことで「教えるって楽しい」と実感しました。

そこで、英語を教える資格TESOLをとることを決意。2年間英語漬けになって猛勉強した結果、英語力が飛躍的にアップしたのです

「教えるって楽しい」と気づく

 

大学で日本語授業の助手になる

 

2012年、UCSD(カリフォルニア大学サンディエゴ校)で日本語の授業の助手(Teaching Assistant)をやりました。

大学の先生が用意してくれた教材で、発音練習をさせたり、会話練習をさせたりする仕事です。

自然に覚えた母国語(私にとっては日本語)を外国人の学生に第二言語として教えるためには、さまざまな知識と技術が必要であることを初めてリアルに意識しました。

母国語として自然に覚えた「てにをは」の使い分けなどを、私はうまく説明することができません。日本語が話せるからといって日本語を教えられるわけではない、と気づいたのです。

「教えるのって楽しい!」と思ったのもこのときです。

マスターするのが難しい言語のひとつである日本語を学ぼうとする真面目な学生たち。分からないところを、たどたどしい日本語で聞いてきます。それを私なりに説明して分かってもらえた時の喜びは、言葉にできない、心にじんわりくるものでした。

英語を教える資格をとろうと決意

 

日本語を教えるのはとても楽しかったです。

でも私が好きなのは英語。できるようになりたいのも英語です。だから英語が母国語でない人に英語を教える資格TESOL (Teaching English for Speakers of Other Languages)を取ろうと決めました。

私は英語が大好きで、英語のことなら何でも知りたいと思っています。ずっと教えてもらう側だったけれども、教える側に立ったら別の視点から英語を見ることができると思いました。

ただ勉強するだけではなく「資格を取る」というニンジンがぶらさがっていたほうがやる気が出ます。無料だと「どうせタダだからや~めた」となりがちですが、かなりの金額を投資すると必死になりますしね。

万が一、日本に帰ることになって仕事を探す場合、字幕翻訳に戻るという道のほかに「英語教師」という選択肢が増えるわけです。

 

自分を「英語漬け」にしたい

 

我が家は基本的に日本語。アメリカに住んでいるのに英語を使わずに過ごせてしまうことが多いのです。

これじゃダメだ、自分を英語漬けにしよう!と思いました。

アメリカで暮せば自然に英語が話せるようになると思ったら大間違いです。使わないと上達しません。どこまで自分ががんばれるかを試したい、という気持ちもありました。

 

オンラインコースを選んだ理由

 

娘が学校に行っている平日の昼間に授業を受けるのが理想でしたが、通学タイプは授業がすべて夕方。受講生のほとんどが昼間に仕事をしている現役の英語教師や社会人だからです。

夫は出張で不在がちだし、学校のお迎えは2時半ごろ。夕方に家をあけることはできないので通学はあきらめました。

でもオンラインコースがあったのです!教授にもクラスメートにも実際に顔を合わせることはできませんが、好きな時間にマイペースで勉強できます。

5年以内に必修科目でC以上をとれば資格が取れる、と書いてあったので、あせらずに自分のペースで進められるオンラインコースを選びました。

初めてのTOEFLテストに四苦八苦 

 

TESOLの資格取得コースを受講する条件として TOEFL iBT(コンピューターで受けるタイプのTOEFL)のスコアが69点以上が必要、と書いてありました。しかしTOEFLというテストは一度も受けたことがなかったので、どう勉強すればどのくらいの点数がとれるのか見当もつきません。

まずは公式の練習問題集から始めたのが2012年の年末。2013年の春から受講をスタートしたかったので、TOEFLテストは2月に受けることにしました。つまり試験の準備期間は2カ月と考えていたのです。

しかし思った以上に難しくて、模試を受けてみたものの全然いい点数が取れません。2月のテストは4月に延期し、ひたすら勉強しました。

その結果、無事69点以上が取れました。TESOLのコースを申し込むときに「TOEFLのテスト結果をどうやって報告するのか」を電話でたずねたら「あれは単なる目安だから別に受けなくてもいいのよ」と言われてショック!事前にそれを確認しておくべきでした。

 

でも受けてよかった

 

受けなくてよかったとしてもTOEFLの勉強はムダではありませんでした。英語でのクラスを受講する心の準備ができたのです。アカデミックな英文を読むことに慣れる必要性、語彙力不足など、自分の課題が一層はっきりしました。

この時点ではあまり深く考えていませんでしたが、それまでアカデミックな英文は短いエッセイすら書いたことがありませんでした。大学の卒論も日本語でしたからね。英語を書いた経験はメールのやりとり程度でした。

今から思うと、ずいぶん思い切ったことをしたものです。「思い切ったこと」というよりとんでもないことに飛び込んでしまったことに気づいたのは受講をスタートしてからでした。

字幕なしで映画が楽しめた!

 

受講直前のうれしい出来事

 

娘二人は私の影響で映画が大好き。でも映画館に行くのは、娘たちが見たい子どもの映画に同伴するときだけでした。悪いクセの完璧主義がジャマをしていたのです。100%に近いところまでセリフを聞き取れないなら、家で英語字幕を出しながらDVDやストリーミングで見たほうがいいと思っていました。

そんな私が、字幕なしでもしっかり理解できた映画が2014年元旦に見たディズニーの「アナと雪の女王」。ディズニーだから分かりやすい英語だった、声優の発音がはっきりしていたことも理解できた理由でしょう。

でも最も大きな理由は、ほぼ毎日映画やTVドラマを英語字幕で見ていたこと。「継続は力なり」を実感しました。

いや〜、これはうれしかったです♪ 

元旦から縁起がいい!TESOLのオンラインコースもきっとうまくいくに違いない!と、これまた楽天的で超ポジティブに考えていた私でした。

そしてその数日後、TESOLの受講を始めたのです。

英語まみれの2年間

 

必修科目は下記の8つでした。

  1. Fundamentals(基礎)
  2. reading + writing(読み書き)
  3. Grammar(文法)
  4. speaking + listening(話す・聴く)
  5. Theories(教授法の理論)
  6. Linguistics(言語学)
  7. Cultures(文化)
  8. 教育実習

1の基礎を最初に、8を最後に受ければ、あとは特に受講順の指定はありません。自分が受けたい科目を好きなときに受講します。

 

大人の集団に紛れ込んだ子どもの気分

 

クラスメートはネイティブ、しかも学校で教えている先生ばかり。大人ばかりの集まりに間違えて入りこんでしまった子どものような気持ちでした。「こんなこと続けるの無理だよ〜」という弱気な自分と、「自分でやると決めたんだから、しっかりやれ!」と厳しくお尻を叩く自分の間で揺れ動きました。

娘を学校に送って最低限の家事をこなしてから、平日9時〜2時はひたすら勉強。教科書・資料を読み、ディスカッションボードに意見を書き込み、課題をこなし、テストに備えました。

娘をお迎えに行ってからは母親としての雑事に追われ、絵本を読み聞かせて娘を寝かしつけてからまた勉強。いつもなら夜9〜11時は映画かドラマを楽しむ時間なのですが、TESOLを受講しているときは完全に勉強に当てていました。そうしなければ追いつかなかったのです。

 

私にも強みはある

 

私の強みは、英語を教わる側の気持ちが分かること。クラスメートから「教わる側としてはどう思うか?」という質問をよく受けました。できるだけ正直に、気持ちをこめて答えましたね。教科書には「こうすべき」と書いてあることでも、私個人としては「ん?」と疑問に思うことがあったので、そういう点を指摘したこともあります。

 

英語という大海原を必死に泳ぐ 

 

英語を教えるにあたっての専門用語がどんどん出てきて、常に頭の中がグツグツ煮えている感じでした。何度か読まないと理解できないことが多いのですが、それをやっていると時間が足りない。だから重要なポイントにはポストイットを貼っておき、そこだけを読み返すようにしました。

教科書や資料を読み込むだけでなく課題やテストに追いまくられて、果てしない海を息つぎなしで泳いでいるような気持ちでした。自分が望んだこととはいえ、正直いってとても苦しかったです。

でも私が泳いでいたのは「英語を教えるために必要な知識」という大海原。知れば知るほど奥が深い英語の世界に魅せられ、知識を無限に吸い込める巨大なスポンジになりたい、と思いました。

大きな波にのまれて沈んでも懸命にもがいて浮き上がり、やっとの思いでたどりついた砂浜には大きなごほうびが私を待っていました。

自分でも驚くほどに英語力がアップ!

 

2年間の猛勉強で、イヤというほど英語を読んで書いた私。いくら私が英語好きといっても、英語の文法や英語教授法などの教科書をひたすら読むのはかなり骨が折れました。

だからもう、コース修了後はウキウキでした。自分が読みたい英語の本を好きなだけ読めるのですから!

「読まなくてはいけない」ではなく「読みたいから読む」という状況が幸せでした。長い間ガマンしていた映画もテレビドラマも、たっくさんたっくさん見ましたよ。

 

「英語漬け」のごほうび

 

さらに驚いたのが、自分の英語力の変化。

 

  • TESOL受講前にくらべると格段に読むスピードが上がっている。
  • ボキャブラリーが驚くほど増えて英語の本がスラスラ読める。
  • 映画やTVドラマが字幕なしでわかる。
  • 英語が日本語のようにスーッと頭に入ってきて理解できる。

 

2年間の苦労は無駄ではなかった!努力は報われた!と感じた瞬間です。こんなにも英語力アップをリアルに感じたのは初めてでした。

テストの点数ではなく「実感」という尺度で測った英語力。これぞまさに私がずっと手に入れたいと思っていたものでした。

 

英語が「勉強」ではなく「日常」に

 

それまで英語は、どうしても「勉強している」感がありました。長い間にしみついてしまった「英語」=「勉強」という意識。それがいつのまにか消えていたのです。

さらに、英語という海で必死で泳いでいるあいだにコンプレックスもきれいに洗い流されていました。

 

そんなとき、近所の日本人ママに「英語を教えてほしい」と頼まれたのです。続きは【第5話】で。

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