(映画のセリフを覚えようとしたのは)英語の勉強のためだけじゃなく、映画のすばらしさと両方だった
- 高倉健
サンディエゴからこんにちは!
映画と英語が大好きな英語コーチ
しおはまなおこです。
今回は沢木耕太郎氏の本
「貧乏だけど贅沢」で出会ったステキな場面をご紹介します。
【本の内容紹介】
人は何故旅をするのか。何故旅に惹かれるのか。常に考え続ける著者が、旅における「贅沢な時間」をめぐって十人と語り尽くした対談集成。
(アマゾン紹介文より)
井上陽水との対談もよかったけど、私にとっては「死に場所を見つける 高倉健」が一番よかったです。
高倉健さんは子どものころから映画が好き。対談部分を本から引用しますね。
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(163ページ)
沢木:高倉さんは、昔から映画をよく見ていましたか。
高倉:僕も沢木さんと同じように、北九州の小さな炭鉱町の、三つある映画館は父の顔でフリーパスだったんで、よく見ました。映画俳優に自分がなるなんていうのは思ってもなかったですけど、ちょうど英語会話なんてのがブームになっていましてね、対訳テキストなんていうのがあった。「哀愁」ですか、ロバート・テーラーとビビアン・リーの「ウォータールー・ブリッジ」というその訳本なんかを買って覚えました。もちろん英語の勉強のためだけじゃなく、映画のすばらしさと両方だったんですけど、英語の台詞をみんな覚えてましたね。
(太字と色は私がつけました)
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英語の勉強のためだけじゃなく、映画のすばらしさと両方だった
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これぞ映画で英語を学ぶ真骨頂!
映画のすばらしさに心がふるえて、その中でもグッときた場面の台詞を英語のまま覚えたいという気持ち、あなたも共感できるはず。
続けて、こう言っています。
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高倉:アメリカ人というのは、愛し合っている男と女が久し振りに会うとこんなふうに言うんだな、「あなたはいま幸せか」なんて。九州ですからわりとそういうことを言わない風土がありますから、友達を連れて行って、女に久し振りに会うと男が「あなたは幸せか」って言うんだよ、それで「完全にか」って訊き直すんだよ、いまほら見てみろ、そう言ってんだよって、友達にね。
沢木:それは自分の台詞とはなりませんでしたか。
高倉:なりません(笑)。
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文化の違いや風土の違いを映画を通じて感じる。これも映画の醍醐味ですよね。
九州男児だったら「言わなくてもわかるだろ」で言わずに済ませるけど、アメリカ人の男は言葉にして言う。
こういう記憶は鮮烈に残るでしょうね。健さんが友人に「いまほら見てみろ、そう言ってんだよ」と得意げに言う姿が目に浮かぶようです。
話している人の表情まで見えてきそうなこの対談集、おすすめです。
「哀愁」(現代:Waterloo Bridge)は、今から86年前、1940年の映画です。予告編のリンクはこちら。
私はこの「哀愁」をまだ見ていません。でも健さんが何度も見るほど好きだったのなら見たい、と思いました。
日本語でも英語でも、本を読みながら面白そうな映画に出会うのは本当に胸がおどります。見たい映画リストはどんどん長くなりますよ~!
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
Happy learning!
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人生は楽しんだものがち!
英語も楽しく習慣にしましょう♪
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