サンディエゴからこんにちは!
元字幕翻訳家の英語コーチ、しおはまなおこです。
映画/TVドラマ/洋書を通じて、英語を楽しく味わうためのヒントをお届けしています。
今回ご紹介する映画は、夢を追いかける女優の卵とジャズミュージシャンの恋物語を美しい音楽とともに描いた「ラ・ラ・ランド」です。
作品名:「ラ・ラ・ランド 」(原題:La La Land)
2016年、128分
監督・脚本:デイミアン・チャゼル
主演:ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン
アカデミー主演女優賞、音楽賞、監督賞を受賞
夢を叶えたい人々が集まる街、ロサンゼルス。
映画スタジオのカフェで働くミアは女優を目指していたが、何度オーディションを受けても落ちてばかり。ある日、ミアは場末の店で、あるピアニストの演奏に魅せられる。彼の名はセブ(セバスチャン)。いつか自分の店を持ち、心から愛する古き良きジャズを思う存分演奏したいと願っていた。やがて二人は恋におち、互いの夢を応援し合う。しかし、セブが店の資金作りのために入ったバンドが成功したことから、二人の心はすれ違いはじめる……。
ミアはオーディションを受けるのをやめ、本当にやりたかった一人芝居をやることに決めます。セバスチャンとはすれちがいの日々ですが、ちゃくじつに準備をススメています。その本番の日、絶対に見に行くと約束していたセバスチャンですが、うっかり忘れていた写真撮影のために行けませんでした。
小さな劇場の客席には数えるほどしかお客が入っていません。来ると約束したセバスチャンの姿もなし。芝居が終わって、ちらほらとまばらな拍手が起きます。
落ち込んで舞台の袖に座り込んだミアに聞こえてきた客の声。
She’s not even good. My god, don’t quit your day job.
全然才能ないね。昼間の仕事はやめるなよ
Don’t quit your day job.という言葉、言われたらすごく傷つきます。
「才能ないから、それで生計を立てようと思わないほうがいいよ」という意味です。
打ちのめされたミアは、コロラド州の実家に戻ってしまいます。お互い失意の日々を過ごしていたある日、ミアの一人芝居を見たブロデューサーからセバスチャンに電話があり、ミアにオーディションを受けてほしいとのこと。
セバスチャンはミアを迎えに行きます。セバスチャンに説得されてオーディションを受けることを決めるミア。そのオーディションで、”Here’s to the fool who dreams”(夢見るおろか者に乾杯)を歌うのです。
Here’s to the ones who dream
Foolish as they may seem
Here’s to the hearts that ache
Here’s to the mess we make
夢見る人に乾杯
夢を見るなんてバカげて見えるかもしれないけど
心が痛くなってもいいじゃない
うまくいかなくたっていいじゃない
打ちのめされても、最後の繊維一本で持ちこたえるミアの姿に心から拍手をしました。
夢を持っていると強い。たくましくなれます。
ポキリと心が折れてしまわないように、棒高跳びの棒みたいにグイーンとしなる心を作りたいですよね。
年を重ねることでも、そのしなりを強くすることができます。人生経験というのは、自分が思う以上に自分を強くしてくれますよ。
映画というのは、折れない心の作り方を学べる、最高の教科書かもしれませんね。少なくとも私はそう思っています。
映画とアメリカに関する知識がすばらしい町山智浩さんの本を紹介します。
町山智浩著「最前線の映画」を読む (インターナショナル新書)
第12章は、「ラ・ラ・ランド」の狂気についてです。
デミアン・チャゼル監督がどういう作品に影響を受けてこの映画を作ったか。いかに監督が「アートを命がけのものと考えている」か、ということも非常にくわしく解説されています。
感動した映画についての批評や解説を読むと、知的好奇心が満たされます。新しい視座や知識を得てからまた見直すと、感じ方が変わることも多いです。映画って奥が深い!と思う瞬間ですね。
Don’t quit your day job.
才能ないから、それで生計を立てようと思わないほうがいいよ
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
次回もどうぞお楽しみに!
Naoko Shiohama
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人生は楽しんだものがち!
英語も楽しく習慣にしましょう♪
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©2024 Naoko Shiohama