「あの頃ペニー・レインと」(原題:Almost Famous)
舞台は1970年代のアメリカ西海岸。音楽への愛と情熱にあふれる映画です。
15歳でローリング・ストーンズ誌の記者となった映画監督キャメロン・クロウの自伝的作品。彼は監督だけでなく製作・脚本も手がけています。アカデミー賞では4部門にノミネートされ、脚本賞を受賞しました。
映画は1969年のサンディエゴから始まります。
(画像はすべて©Paramount Pictures)
11歳のウィリアムは保守的で厳格なお母さんに大事に育てられている男の子。大学教授でもある母エレインは、教育に悪い影響を与えそうなものはすべて排除しています。
息子を飛び級させたお母さんは、ウィリアムに本当の年齢を教えていません。まわりにくらべてどう見ても幼いウィリアムは、シャワー室でも「下の毛(pubes)も生えてないガキ」とからかわれます。
学校から車で家に戻るとき、お母さんに質問します。
ウィリアム:I look so much younger than anybody else.
ぼくってさ、まわりのみんなよりずっと幼く見えるんだけど。
母:Enjoy it while you can.
若くみえるうちが花よ。
<助手席にいる姉アニータは、お母さんが弟の年をわざと隠していることを知っています>
姉:Mom. It’s time.
ママ、もういい加減に言ったら?
母:Can this wait till we get home?
家に戻ってからでいいでしょ。
姉:Mom, pull over.
ママ、車を止めて。
Tell him the truth. Tell him how old he is.
本当の年を教えるべきよ。
<お母さんがあきらめたように車をとめる>
母:He knows how old he is.
ウィリアムは自分の年ぐらいわかってるわよ。
姉:But other kids make fun of him because of how young he looks. Nobody includes him. They call him “The Narc” behind his back.
あんまりにもウィリアムが幼く見えるから、他の子たちにバカにされてるのよ!だれも仲間に入れようとしないし。陰でウィリアムのこと「ナーク」って呼んでるわ。
ウィリアム:They do?
そうなの?
母:What’s a narc?
「ナーク」って何?
姉:A narcotics officer.
麻薬捜査官よ。
(先生に告げ口する奴、言いつける奴という意味)
母:Well, what’s wrong with that?
それがなんだっていうの?
ウィリアム:Come on, you guys. It’s no big deal.
大丈夫、わかってるよ。
I'm twelve. She skipped me a grade.
ぼくは12歳だ。ママが1学年飛ばしたから。
Big deal. I’m a year younger.
1歳若いっていうのは大きいけどね。
They’re 13. I’m 12. Aren’t I?
みんなは13歳でボクは12歳。だよね?
母:I also put you in first grade when you were five, and I never told you.
今まで言わなかったけど、あなたが5歳のとき1年生に入れたの。
ウィリアム:So I’m how old?
じゃあ、本当は何歳なの?
姉:Don’t you realize that this gonna scar him forever.
ウィリアムの心に一生の傷が残ってもいいの?
母:Honey, sweetheart, don’t be Cleopatra.
大げさに言うのはやめなさい。
We have to be both his mother and his daddy.
私たちはウィリアムの母親でもあり父親でもあるんだから。
(お父さんは亡くなって、いません)
姉:You put too much pressure on him. And when he rebels in some strange and odd way…Don’t blame me.
プレッシャーをかけすぎなのよ。もしウィリアムが妙に屈折した形で反抗するようになったって、私のせいじゃないからね。
母:I skipped you an extra grade. You’re 11!
もう1年飛ばしたから、あなたは11歳よ。
ウィリアム:Eleven?
11歳?
「~だよね?」と同意を求めたり、確認したりするときに使う付加疑問文(英語では tag question)です。
本文の動詞が肯定形の場合、付加疑問文は否定形になります。
You’re 12, aren’t you?
He’s 12, isn’t he?
They are 13, aren’t they?
この3つは動詞 is/are にnotをつけた短縮形がそのまま付加疑問文になります。それがルールだと考えたら「amn't I?」となりそうですが、そうではありません。
I am~.のときは 「aren’t I?」か「am I not?」。
ふだんの会話では「aren’t I? 」フォーマルなときは「am I not?」となります。
I’m 12, aren’t I? (口語)
I’m 12, am I not? (フォーマル)
もっと詳しく付加疑問文について学びたい!という方にオススメのサイトはこれ。
Tag Questions from English Club(英語のみ)
英語ですが、わかりやすいですよ。
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厳しすぎる母親にイヤ気がさして家を出る姉アニータ。別れぎわに、弟の耳元にそっとささやきます。
Look under your bed. It’ll set you free.
ベッドの下を見て。あなたを自由にしてくれるものがあるから。
置き土産はロックのレコードとプレイヤーでした。そのレコードを夢中になって聴き、どんどんロックにのめりこんでいくウィリアム。有名な音楽雑誌ローリング・ストーンの記者になりたい、と思うようになります。でも、母親の厳しさの裏にある愛情を理解しているのでアニータのように家を飛び出すことはしません。
飛び級をするほど優秀なウィリアムは、文才もありました。15歳のとき地元紙に書いた記事がローリング・ストーン誌の目にとまり、記者としてブレイク寸前のロックバンドに同行取材することになります。
モーレツな教育ママ、エレインを演じるのは「ノマドランド」(2020)でアカデミー主演女優賞を受賞したフランシス・マクドーマンド。クセのある母親役をやらせたら右に出る女優はいないでしょう。「ファーゴ」(1996)で身重の警察署長役をやったときから私は彼女の大ファンです。
チャンスがあったら、ぜひご覧ください♪
I am ~ のときの付加疑問文
I’m 12, aren’t I? (口語)
I’m 12, am I not? (フォーマル)
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
次回もどうぞお楽しみに!
Naoko Shiohama
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人生は楽しんだものがち!
英語も楽しく習慣にしましょう♪
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©2024 Naoko Shiohama