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Netflix「クイーンズ・ギャンビット」で学ぶ、家族の定義

September 23, 20238 min read

サンディエゴからこんにちは!

元字幕翻訳家の英語コーチ しおはまなおこです。 

 

映画・ドラマ・洋書を通じて、英語を楽しく味わうヒントをお伝えしています♪

今回は前回に引き続きNetflixのリミテッドシリーズ「クイーンズ・ギャンビット」のみどころと英語ワンポイントレッスンです。


かわいい子役が大人の男になった!

ベスと対戦する好敵手として、アメリカのチェスチャンピオンが登場するのですが、このチャンピオン、ベニーを演じるのがトーマス・ブロディ=サングスター(下の写真の右側)。

queen's gambit

彼は2003年の映画「ラブアクチュアリー」でリーアム・ニーソンの10歳の息子サムを演じていました。好きな女の子のハートを射止めようとドラムの練習をする可愛い男の子、といえば思い出す方もいるでしょうか?

次に彼を見たのは「ゲーム・オブ・スローンズ」。おお、成長したな、と思いました。そして今回このクイーンズ・ギャンビットで成長した姿をみせました。が、やはり顔はどこか幼さが残っています。

子供っぽい顔の人はヒゲを生やす傾向があると私は思うのですが、「クイーンズギャンビット」の彼は、ツルッとして、しゃきっとした華奢な顔にあごひげを生やしています。

幼く見えるといっても、れっきとした大人の男であり、今はイーロン・マスクと2度結婚して2度離婚したタルラ・ライリーという女性と婚約しています。

なんだかゴシップ記事のようになってしまいましたが、英語ワンポイントレッスンをやります。


【英語ワンポイントレッスン】

ベスは、チェス界に旋風を巻き起こした天才児、しかも女性ということで富も名声も手に入れました。でも精神安定剤とお酒が手放せない、すさんだ生活を送っていました。


そんなベスのもとに孤児院時代の親友ジョリーンがたずねてくるんです。ジョーリーンはパラリーガルとして働きながら弁護士を目指しています。


スカッシュをやったあとのベスとジョリーンの会話です。憎まれ口をたたき合いながらも、心が通じあっているのがわかります。


Queen's Gambit last episode


ベス:You’re like my guarding angel. 

あなたって私の守護天使みたい。


ジョリーン:For crying out loud. Hey Beth, fuck you.

なに言ってんのよ、ベス。あんた、なんにもわかってないね。

(勘弁してよ、というニュアンス)


Shaibel isn't the only one who kept after you all these years.

あんたのことを見守ってたのは、シャイベルさんだけじゃないんだよ。


I know how you lost to Benny Watts in Vegas and then beat him in Ohio.

ラスベガスであんたがどんなふうにベニー・ワッツに負けたか知ってる。そのあとオハイオで彼をやっつけたことも、ちゃんと知ってる。


I read the papers. 

新聞読んでるんだから。


Even on a group trip into town, 

I spent my ice cream money on the damn chess magazine 

that had your ugly face on it.

街に出たときだって、大事なアイスクリーム用のお金をあんたの変な顔が表紙になってるチェス雑誌買うのに使ったんだからね。


For a time, I was all you had. 

あんたにとって、あたししかいなかった時期がある。


And for a time, you was all I had. 

あたしにとって、あんたしかいなかった時期がある。


We weren't orphans. 

あたしたちは、みなしごじゃなかった。


Not as long as we had each other.

少なくとも、あんたにはあたし、あたしにはあんたがいた。


You understand what I'm saying?

あたしが言ってることわかる?


I'm not your guardian angel. I'm not here to save you.

あたしはあんたの守護天使なんかじゃない。あんたを助けるためにここにいるんじゃにないのよ。


Hell, I can barely save me. 

あたしだって生きていくのがやっとだもん。


I'm here because you need me to be here.

あたしがここにいるのは、あんたがあたしを必要としてるから。


That's what family does. That's what we are.

家族ってそういうもんでしょ。あたしたち、家族なんだよ。


Someday, I might need you. It's doubtful.

いつか、あたしもあんたが必要になるかもしれない。ならないとは思うけどね。


But you never know. 

でも人生、何が起こるかわかんない。


But if I do… You'll come, won't you? 

もしあたしが困ったことになったら、あんた来てくれるでしょ?


ベス: I might. 

行くかもね。


本当は Of course, I will. なんだけど、わざと I might.と「行くかもね」と憎まれ口を叩いています。

 

Queen's Gambit


I'm here because you need me to be here.

That's what family does. That's what we are.

必要としてるときに一緒にいてあげるのが家族でしょ。

あたしたち、家族なんだよ。



これは私がこのドラマで一番ぐっときたシーンです。


「必要としているときに一緒にいてあげる、それが家族でしょ」なんて、うーん、泣かせるぅ!


大事な人が困っているときにそばにいてあげるのが家族。血のつながりなんて関係ないんですよね。





このドラマには原作本があります。著者はウォルター・テビス(Walter Tevis)、本業は英文学の先生だったのですが、副業として長く作家活動をしていたそうです。


副業作家なだけに作品数は少ないですが、7冊出した本のうち3作品が映画化されています。


  • ポール・ニューマン主演の「ハスラー」

  • ポール・ニューマンとトム・クルーズ共演の「ハスラー2」

  • SFの「地球に落ちてきた男」

そしてこの「クイーンズギャンビット」がドラマ化。すごいですよね!



何度みても感動が押し寄せる「クイーンズ・ギャンビット」。ぜひ見てくださいね!そして気に入ったら、次は英語字幕で見てみてください。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

 

次回もどうぞお楽しみに!

 

Naoko Shiohama

 

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人生は楽しんだものがち!

英語も楽しく習慣にしましょう♪

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Netflixネトフリドラマ英語学習
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Naoko Shiohama

脳科学Englishトレーナー。TESOLの資格を持つ英語を教えるプロ。2009年からサンディエゴ在住。アメリカ生活の経験と知恵+脳の仕組みを活用した記憶術+映画とTVドラマへの情熱をオンラインコースに注ぎ込んでいます。慶應大学文学部卒(英米文学専攻)。元字幕翻訳家。

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