サンディエゴからこんにちは!
元字幕翻訳家の英語コーチ しおはまなおこです。
映画・ドラマ・洋書を通じて、英語を楽しく味わうヒントをお伝えしています♪
今回ご紹介する映画は「ゴールドフィンチ」。ピューリッツァー文学賞を受賞したドナ・タートの小説の映画化です。
13歳の少年テオは、NYのメトロポリタン美術館でテロリストによる爆破事件に巻き込まれ、母親を亡くしてしまいます。事件では多くの犠牲者が出たものの、テオは奇跡的に生き残りました。爆破現場で、息も絶えだえの老人に名画 The Goldfinch (日本語でいうとゴシキヒワ)を持っていけと言われたテオは、その絵をこっそり持ち出します。
天涯孤独となったテオは、同級生の家に引き取られますが、新しい生活になれ始めた矢先に、音信不通だったアルコール依存症の父親が突然現れてラスベガスで生活することになります。
テオは絵画を盗んだという罪悪感を持ち続けながらも成長していきます。ラスベガスで親友と呼べる友人に出会いますが、「失われた名画」をめぐってのトラブルに巻き込まれていく、というお話。
原作の小説はすごく長いです。和訳本も4冊に分かれています。映画化するのは大変だったと思うのですが、すごくうまくまとまっていると思う。私も映画を観たからこそ原作を読む気にはなれました。あまりの分厚さ、長さに圧倒されちゃいますよね!
成長したテオを演じるのは、若手人気俳優のアンセル・エルゴート。「ウェストサイドストーリー」「ベイビー・ドライバー」などに出ています。
その親友役が「ストレンジャー・シングス」のマイクを演じたフィン・ウルフハードです。どこかでみたことあるな、と思っていたんですけど、映画を観終わるまで気づかなかった…!
テオをしばらく預かる裕福な家の奥様としてニコール・キッドマン。ちょっと神経質そうな役がぴったりですよね。息子の大学資金を使い込もうとする、どうしようもない父親役はルーク・ウィルソンです。
2009年からサンディエゴで暮らしてしみじみ感じること。
\ ネイティブは付加疑問文をしょっちゅう使う /
中学や高校で、ほんの付け足しみたいに習った付加疑問文。英語では tag question といいます。もっと学校の授業で時間をさくべきだ!と私は言いたいですね。
例:It's freezing this morning, isn't it?(今朝は冷えますね)
This is your umbrella, isn't it?(これはあなたの傘ですよね?)
日本語でも「~だよね」とか「~じゃない?」と、はっきりした同意を求めるわけではないけれど確認口調になるときありますよね?(と私も使ってみた)。しかも無意識に。
英語圏の人も無意識に使っています。この「無意識に使う」感覚をとぎすますためにも、英語に触れる・英語を使うことを習慣にしましょう。
婚約者のKitseyに、主人公のテオが母の形見のエメラルドのイヤリングを渡します。でも彼女はあまりうれしくない様子なのでムッとするテオ。
Kitsey:Oh, I’ve hurt your feelings, haven’t I? (あなたの気持ちを傷つけちゃったわね。)Look, I’ll wear them. (見て、ちゃんとつけるから)
Theo: You really don’t …(無理しなくていいよ)
Kitsey: I want to.(つけたいの)
Kitseyが 前につきあっていたTomとキスしているところを目撃してしまったTheoは、Kitseyを問い詰めます。
Theo: I saw you.(見たんだ)
Kitsey: Oh. You don’t mean Tom Cable, do you?(まさかトムのことじゃないわよね?)He’s an old friend.(ただの友達よ)
付加疑問文の原則ルールは2つあります。
ルール1:本文で動詞が肯定形なら否定形をつける
I’ve hurt your feelings, haven’t I?(私、あなたの気持ちを傷つけちゃったわね。)
ルール2:本文の動詞が否定形だったら肯定形をつける
You don’t mean Tom Cable, do you?(まさかトムのことじゃないわよね?)
私が映画館でポップコーンと飲み物を買う列に並んでいたときのこと。列がすごく長くて、私の前にいた女性が
This line doesn't move at all, does it?(この列、ぜんぜん動かないわね!)
と言ったので
No, it doesn't! (ホントね!)
と答えました。
そのあと「どの映画を見るの?」と会話が続いて、長い待ち時間のイライラも少し減りました。
「ゴールドフィンチ」のオーディオブックの長さは32時間25分。私は毎朝30分ぐらいオーディオブックを聴くので、このオーディオブックを聴き終わるには、単純計算すると65日かかります。好みの問題もありますが、私はこの小説がものすごく面白くて、長いんだけどおわらないでほしい!と思いました。
ホント、映画や本などは好みの問題ですが、あなたの心をつかんではなさないストーリーに出会えるといいですよね。
英語のボキャブラリーを増やすのに一番効果的なのは洋書を読むことだと私は思います。知っている言葉がふえると不安が減ります。知らない言葉は、言われても読んでも聞いても、わかりませんからね。英語のキモはボキャブラリーだな、と思います。もしあなたが、英語の語彙不足を感じているとしたら、洋書を読むことを心からオススメします。
自分にあった洋書を見つけるには「洋書ファンクラブ」をオススメします。ボストン在住の洋書レビュアー、作家の渡辺由佳里さんが主催されている洋書レビューサイトなのですが、英語レベルを10段階にわけて、さらにはジャンルで分けて、自分にあった洋書を選ぶ助けになります。
私も読む本・聴く本をさがすときはいつも洋書ファンクラブを参考にしています。
あなたもぐっとくる映画に出会って、その映画に原作本があったらぜひ読んでみてほしいと思います。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
次回もどうぞお楽しみに!
Naoko Shiohama
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人生は楽しんだものがち!
英語も楽しく習慣にしましょう♪
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©2024 Naoko Shiohama